PMSとPMDDってどう違うの?

PMSとPMDDって何が違うの?

PMDDとは

PMDDとは

生理前の不調でPMS以外にPMDDというものがあることをご存じでしょうか。これは「月経前気分障害」と呼ばれるもので、生理が始まる1〜2週間ほど前から気持ちが沈んだり、やる気がなくなったり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、集中力が低下したり、不安感や緊張感から逃れられなくなったり、突然泣きたくなったり・・・といった精神症状が出るものです。そして特徴的なのは、日常生活に支障が出るほどの重症度でそれぞれの症状が出るということ。気分転換やストレス発散などでは解消できない重い症状である場合にPMDDと診断されます。

つまり、誰かが話しているのを見ただけで自分の悪口を言っているように感じて気が休まらない、理由のない焦燥感で夜眠れなくなる、逆に新しい1日が始まるのが嫌で寝続けてしまう、つねに追い込まれている感覚から逃れられないなど、仕事や勉強が手につかなくなるほどの強い症状が出るのがPMDDです。そしてそれほどの強い症状が生理の開始と共にすっきりとなくなるという特徴があります。

期間限定であるとはいえ、PMDDは精神症状の重症度が高いので低用量ピルだけではあまり効果が出ない場合が多いようです。そのため精神科や心療内科で抗うつ剤や安定剤を処方されたり、セロトニンを増やす薬が処方されたりといった薬物療法が行われます。

PMSとの違い

PMSとPMDDはよく似たところもありますが、決定的な違いがいくつかあります。それぞれの特徴をまとめてみましょう。

PMS PMDD
気分が落ち込む 軽度〜中度 重度
やる気が出ない 軽度〜中度 重度
感受性が強くなる 軽度 重度
焦燥感が強くなる 軽度〜中度 重度
頭痛やめまい、肩こり、むくみなどがある 軽度〜重度 なし
生理の1〜2週間前から始まる
生理が始まると終わる

つまり、PMDDにはPMSに見られるような身体的症状がなく、PMSと同じような精神症状が出るのですが重症度がかなり高い、ということです。症状が出やすい時期についてはいずれも同じです。

PMSは婦人科で診察し、そのまま婦人科で治療を行う場合が多いのに対して、PMDDは必ず精神科あるいは心療内科での診察を勧められ、治療もそちらで行います。またPMSが出やすい人のタイプが「ストレスを溜めやすく、真面目で几帳面な人」であるのに対し、PMDDは以下のタイプの人がなりやすいと言われています。

  • □ 自分のことが自分で決められない
  • □ 周囲の言動に振り回されやすい
  • □ 他人に影響を受けやすい
  • □ 他人の目や意見が気になる
  • □ 些細なことでパニックになりやすい

こうした性格や考え方、物事のとらえ方が要因としてある以上、抗うつ剤や安定剤を飲んだとしても一時的な効果しかなく、生理前は必ず飲み続けなければならなくなります。そのため、PMDDは考え方のくせのようなものを変えることで改善を試みるという治療法もあり、そのためにカウンセリングが並行して行われることもあります。

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